嘘つきヴァンパイア様
謎の婚約者
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『カトレア、私は生涯の愛を君に誓う』
『ケイト』
その日、またいつもの夢をみていた。姿のハッキリ見えない男女が手と手を重ねながら、お互いの存在を確めあう夢。
涼子が昔から何回も見る夢だ。切ない声のこともあったり、このように幸せに満ちた声。それは、日により様々だが今日のは特別幸せそうだ。
プロポーズかな。なんて、涼子は思う。
生涯の愛を誓う、なんて、素敵な言葉なんだろ。
羨ましい。女に生まれたのなら、きっと誰もが生涯愛されたいと思うだろう。
『ケイト、ありがとう…』
『カトレア…』
抱きあう、2人になぜだか胸がほっとし、涼子はゆっくりと夢の中で瞳を閉じた。
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