嘘つきヴァンパイア様
涼子の言葉にカトレアは暫し黙り、スッと唇に手を当てる。
『ごめんなさい』そう、唇が動かされると、映像がぷつりと一瞬で消え去り、真っ暗の暗闇のなか、身体が落ちていった。
どこまでも、どこまでも、深い深い闇に落ちてき、飲み込まれてしまいそうな気分に襲われ、涼子は必死に眠りから覚めるように、重い瞼を開いた。
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時、同じくして屋敷には不機嫌な表情をした呉羽と気まずそう顔をふせる3兄弟がいた。
呉羽が不機嫌な理由は無論,涼子のこと。
数時間前、呉羽は涼子と別れたあと真っ直ぐに部屋にむかった。涼子を部屋で待つために。
だが、ふと呉羽は思いだし脚をとめた。
内容は涼子がギルドからもらった花のことを。あの花の意味はいい意味ではない。白い薔薇とシレネなど、呉羽には一瞬で意味がわかった。
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