嘘つきヴァンパイア様
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「なんだって!?涼子様を地下牢に閉じ込めた!!?」
呉羽が涼子を地下牢に閉じ込めたあと、彼はそのまま執務室に戻った。
大量に詰まれた資料に目を通し、いつも通りの仕事をこなしている所に、ルカがやってきたのだ。
ルカは部屋にはいるが、呉羽は無反応。いつもなら嫌な顔をするところだ。
だが、予想外の反応にルカは戸惑うと、呉羽は沈黙を破り涼子とあったことの一部始終を話した。
ルカがここに来た理由は「そのこと」だったが、あまりにも淡々と話す呉羽と内容に思わず声をあらげてしまったのだ。
「大きな声を出すな。仕方がないだろう。逃げられたりしたら困る。だいたい、最初からこうする予定だったんだ」
「だけど、呉羽様……すこし前に、思い留まっているような発言をしただろ。あれは彼女を利用することに引け目を感じていたんだろう?それなのに…」
「あれは、気の迷いさ。あの女と一緒にいたせいで情がうつっただけだ。あいつからばらされたことを聞いて、本来の目が覚めた。これで、いいんだ。計画通り、なにもかも」
言葉に詰まるルカに呉羽は容赦なく続けた。
「だから…あの女のことは頼んだ。俺の許可なく地下牢から出すな。あと、飯は与えてやれ、飢え死にしたら困るからな。レシィにも言っておけ、あいつ、懐いているから……何かしないとも考えられない」
そう言うなり、また資料に視線を戻した。
その淡々とした態度をルカは複雑な顔で見つめていたのであった。
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