嘘つきヴァンパイア様
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『そうか。あの、被害妄想男はついにそんなことまでしたのか』
『はい。主様』
ある世界のある場所にて、二人の神が親密そうに話をしていた。
『まったく…あの男は突然、花嫁を迎えたと思っていたら、最後には監禁。しかも、それはカトレアの生れ変り。こんな面白い話があるか・』
優雅に笑みを浮かべ、男は頬杖をついた。
『呉羽よ、愛してあげなければ心は枯れてしまう。いくら強くても、人間の女とはそういうものだ。さて、この愉快な事態、傍観者としてそろそろ制裁を下してもよいと思うか?』
『わたくしは、主様に従います。』
『そうか。では、いこう。あのバカな犯罪者をしばいてやろうではないか』
そう男は言うと、立ち上がった。
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