嘘つきヴァンパイア様

***

『そうか。あの、被害妄想男はついにそんなことまでしたのか』

『はい。主様』

ある世界のある場所にて、二人の神が親密そうに話をしていた。


『まったく…あの男は突然、花嫁を迎えたと思っていたら、最後には監禁。しかも、それはカトレアの生れ変り。こんな面白い話があるか・』

優雅に笑みを浮かべ、男は頬杖をついた。


『呉羽よ、愛してあげなければ心は枯れてしまう。いくら強くても、人間の女とはそういうものだ。さて、この愉快な事態、傍観者としてそろそろ制裁を下してもよいと思うか?』

『わたくしは、主様に従います。』

『そうか。では、いこう。あのバカな犯罪者をしばいてやろうではないか』

そう男は言うと、立ち上がった。


< 418 / 475 >

この作品をシェア

pagetop