嘘つきヴァンパイア様
「なんの為かとか、そんなの言わなくてもいいの。私は、呉羽が大好き。だから、傍にいたいの…その願いを叶えてくれるのなら、利用されてもかまわない…」
「……」
「子供も産むよ。だから、傍にいさせて…貴方がいてくれるなら、私はそれでいい。嫌いでもいい。愛してくれなくてもいいの。そんな苦しみより、呉羽の傍にいられないのが、なによりも苦しいから」
そっと、呉羽の頬に手をのばす。
拒みはしなかった。ただ、まっすぐに涼子を見つめたまま視線をそらさない。
「なんで、そこまで言える。俺はお前に嘘をついたんだ。それだけじゃない、閉じ込めるなんて酷いことをした…それなのに、なんでそこまで…」
小さな問いかけに、涼子は微笑み。空いた手を肩におき、そのまま爪先を伸ばし呉羽の唇に触れた。
「その理由は、何回も言ったじゃない。呉羽が大好きだからだよ…好きな人に利用されるのなら…それは、甘い誘惑になると思う」
「は…はは…っ」
(な、なんで、わらうの?)
「あの、くれ…きゃっ」
突然だった。
呉羽は涼子の腕をつかみ、そのままベッドの上に押し倒すと、そのまま涼子に覆い被さり衣服に手をかける。
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