嘘つきヴァンパイア様


もう、それからはよく、覚えていない。



何回も、何回もその熱に唆され、猛毒が、身体中に染み渡る。


自分自身が猛毒を放つ物質のように、呉羽の行為も激しく涼子をはなすことはない。


疲れたとか、いやとか、だめ。そんなことは言わなかった。



ただ、利用されていても再びその熱に触れることが出来て、何よりも嬉しかたったのだ。


(呉羽…大好き…)

そう、何回も思い、囁いた夜だった。



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