嘘つきヴァンパイア様
「涼子、こんな所にいた」
突然、声を掛けられ振り向くとそこには腕組みをした呉羽の姿。
「あ、呉羽?」
"どうして、こんな所に?"と、言えば呉羽はため息をはきながらお店の時計を指差す。
「お前さ、今何時だと思ってる」
「何時って、七時?」
「そう。それで、どうしてお前はここにいるんだよ。おかしいだろ!」
「…え?」
なにが、おかしいのか。必死に考えると、一瞬で血の気がひいた。
「あ、ごめんなさい!待ち合わせ!」
実は昨夜、呉羽の祖国にいくために待ち合わせをしていたのだ。友人との話しにすっかり呉羽との約束を忘れてしまい彼女は頭をさげる。
「その、つい…話に夢中で…」
待ち合わせは、4時だった。そして、今は7時。三時間待たせたことになる。失敗した。と、落ち込む涼子に呉羽はあきれたように組んでいた手を離す。
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