嘘つきヴァンパイア様



「…本当に、楓は凄いね。なんか、同じ人間とは思えないよ」


「またそんな事言ってる。そんな暇があるなら、早く課題の本もってきてレポート書いてよ。わたし、暇なんだけど」



黒い髪の毛を指に巻きつけ、手にしていたパンをクルッと回転させる。


「わ、分かってる!ま、待っててよ」

「早くしてよ。じゃないと、ドーナツ食べに行けないでしょー」



楓とはこの後、有名なドーナツショップに行く約束をしていたのだ。大人気のお店で早く行かなければ人気のメニューが食べることが出来ない。


「ほ、本持ってくるね!」


ガタッと勢いよく椅子から立ち上がり満面の笑みで手を振る楓を前に涼子は本棚に向かった。
















「えーと、この辺りだよね」


広い図書館を徘徊すること数分。目的の本棚に到着し、沢山ある本棚から目に付くものを選んでいた。

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