嘘つきヴァンパイア様


「これから行くけど、心の準備出来たのか?」


「あ、うん。ところで、飛行機は何時?わたし、パスポートと荷物が部屋にあるんだけど戻る時間あるかな?」


予定では呉羽と合流してから部屋に荷物を取りに行き、出発の予定だった。だが、涼子のせいでそれもくるっている。


「ところで、呉羽は荷物ないの?祖国だから、いらないか」


そう言い歩いていると、呉羽は少しうなったあと口を開いた。


「まぁ、基本あっちに物はあるからな。それと、飛行機なんて乗らねぇから。パスポートも荷物も必要ない」

「…え?」


呉羽の言っている意味が理解出来ない。


「えっと…まさか…この後日及んで実家が実は物凄く近所なんて、言わないですよね?」

「いや、天国より遠いって言っただろ」


「あれは冗談でしょ?そんなに遠いのに飛行機乗らないだなんて。それにパスポートも」


いったい何処に連れていくんだ。なんて、思っていると、呉羽が突然公園の入り口で立ち止まる。


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