嘘つきヴァンパイア様
アナは愕然とした。主であるギルドに涼子の監視を任されていたはずなのにそれを遂行出来なかったと。
唇を噛み締め悔やむアナにギルドは立ち上がる。
「さて、こうなったら冥界に帰るしかないな。アナ、お前も来るだろう?冥界で彼女を手に入れる為にアナの協力が必要だ。だから、行こう」
顎で促すギルドにアナは数秒間黙りこむ。そのにごりのない瞳をギルドに向ける。
「無論です。我が主、ギルド様のために」
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