私がここにいる
きょうまだ生まれていない太陽が
雲の向こうに眠っている
いまかいまかとざわついている星たちが
すこしずつ静かになって
一番に輝く金の星に導かれ
産声をあげた太陽
わたしに顔をのぞかせる
微笑んだ
風に乗ったかもめが
陽の光に向かってつばさをひろげ
迷いもなく大空を行くの
わたしには広すぎる空と海の間で
眼から涙があふれだす
やさしいくじらの上にしゃがみこんで
風を感じて
光をあびて
こころが温まる気がした
胸に手を当てて
眼を閉じる
こころの底で
開いた花を
手に持って
眼を開ける