天神学園高等部の奇怪な面々22
「では事前に決められた班に分かれて、まずはテントの設営から始めろ」

翡翠の指示で、生徒達がワラワラと動き始める。

小夜、カリナ、和音、八重、レオーネは同じ班。

随分女子生徒が多いし、唯一の男子である和音は頼りなげな気がするが…。

『私、テントなんて組み立てた事ないよ…』

戸惑う小夜。

周囲を見渡してみると。

「別にテントなんていらねぇのにな。木の上に登って寝りゃあいいじゃねぇか」

ブツブツ言いながら器用にテントを設営するのはワンコ君。

流石、逞しい。

「アリスカさん、そっち持ってて下さい、えーと…これがこうなって…」

「だ、大丈夫?代わろうか?」

ロシア娘と眼鏡男子は、苦戦しながら設営中。

「テントなんざソッコーぶち建ててやんよ、遡雫、頼りになるお兄ちゃんだろぁ?」

「柿ピー、お兄ちゃんがテント建ててくれるって。嬉しいねぇ…嬉しいねぇ…」

食いしん坊娘の手前、張り切っているのはヤン男。

ロゴTには『一国一城の主』と書かれている。

たかがテントで。

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