政略結婚 ~全ては彼の策略~


悟が予約してくれていた店はとても雰囲気があり、とても落ち着きあるところだった。

かなり緊張しつつ、悟の後に続くように奥へ入る。
個室がメインの店のようで、数名掛けのテーブルごとに広々とした空間を襖で区切られていた。


車の中でも緊張したが、店でも2人きりの空間で過ごさなくてはならない事に優香の緊張は右肩上がりに増幅していく。

個室は座敷になっており、低い階段が2段あった。
部屋へ上がるためにパンプスを脱ごうとすると悟が当たり前のように手を差し伸べてくる。

手を差し伸べられた意味が分からず優香が戸惑っていると悟は逆にキョトンとしていた。

「ヒールが高いし脱ぎにくいでしょう、支えますから手を貸してください。」


どうやら悟にとっては女性に手を貸すのは当たり前のことのようだ。
優香はカルチャーショックと、悟の女性に慣れた行動へのショックを感じながらも、悟の大きな手に初めて触れたのだった。



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