政略結婚 ~全ては彼の策略~
いやいや、彼にそんな事をさせる訳にはいなかいのだ。
ただでさえこんなに素敵な人が私と結婚してくれようとしているのだから、自分に出来ることは何でもしたい。
優香は気を引き締め、自分の役割はきちんと務めなければと思っていると、
「なに?俺の作る料理に興味あるのか?」
悟は優香を見つめて確認してくる。
こんなに至近距離で見つめられると、緊張で頭が働かなくなるではないか。
「正直に言うと、とても興味あります…。」
ぽぽぽと頬が熱くなるのが分かるが、嘘を言う必要もないので正直に答える。
「…でも、その……っ、作って欲しいとかそういう意味ではなくて、悟さんも料理するんだなって単純に興味が湧いたといいますか…」
「いいよ。今度は俺が作ることにしよう。…ただし、不味いから食べれない。とかはなしだからな。」
まさか。食べれないなんて言うわけが無い。
そんな事天変地異が起こってもありえない。
「絶対に完食するので安心してください!」
自信満々に答えた優香に悟は楽しそうに笑っている。
もう見慣れた笑顔に優香の緊張も和らいでいた。