政略結婚 ~全ては彼の策略~
「…悟…さん、あの、これは一体……」
「……優香は俺の彼女兼婚約者だ。何もおかしい事をしているつもりはないけど。」
いや、明らかに展開が早すぎる。
先程から完全に悟のペースに流されてしまっていた。
共々女性の扱いにも慣れているのだろうが、11歳も年上な事もあり優香は悟に掌で転がされているような状態だった。
唇を塞がれたまま、するすると服が剥がされていく。
まさかこんな展開になるとは予想もしていなかった優香はろくな抵抗も出来ないまま下着姿にされていた。
——昨日も今日も部屋に来ることを躊躇っていたのにどうして…?
優香は恥ずかしさと混乱で涙目になりながらも悟のキスを受け止める。
悟もキスをしながら器用に自分の着ていたノーカラーシャツを脱ぐと、ばさりと床に落とした。
悟の長い指が優香の肌の感触を確かめるように遠慮なく全身を撫で回す。
自分の事を"そういう対象"として見れないから躊躇っているのだと思っていたが違ったのだろうか?
男性は好きと言う気持ちとは関係なくこういう事は出来ると聞いた事はあるが、悟も同じなのかもしれない。
性に奔放な友人は体の相性が悪い人とは付き合えないから付き合う前に男女の関係になると言っていた。
一応昨日から、多分、悟の恋人にはさせて貰えたのだと思うが、悟もそういう思考だったら…?
もしかしたら試されている…?
どうしよう
どうしよう
「……んぅ……っ、」
悟が唇から離れ、優香の胸元へ唇を這わせていく。