政略結婚 ～全ては彼の策略～

優香は午後からの仕事に集中したくてもどうしても悟の事が頭から離れない。


悟と山本は一体どういう状況でそんな話を社内でする事になったのだろうか。

隠している訳では無いが、式場なんて…。
悟は優香との事が社内の人間にバレても構わないということなのだろうか。


人に聞かれても悟は堂々としていそうだとは思うが、いくらなんでも早すぎる気がする。


もしかしたら早めにバレてしまった方が都合が良いのだろうか？

悟の事だ、確実に社長になるために1つづつ手を打っていたとしても不思議ではない。

悟は異例の早さで出世コースを歩んでいるため出世の鬼とまで言われているのだ。
社長まで登り詰めるためなら優香と結婚までできるくらいだから、バレたところで気にしないのかもしれない。


悟にとって優香も出世のための道具。

実際そうなのだから構わないが、悟がそうまでして社長になりたい理由は何なのだろう。



社長になりたいなら起業すれば良い話だが、1から会社を立ち上げるのは大変だ。

あるものを受け継いだ方が基盤も整っているため安定しているからだろうか？


頭の良い悟の考えなど平凡な頭の優香にはいくら考えても分かるはずがないと諦めることにした。


知っても仕方のないことだ。
自分が傷つくかもしれない事など知らない方が幸せだろう。


優香はただ悟との結婚だけを喜んで受け入れれば丸く収まるのだから。