政略結婚 ~全ては彼の策略~
「…あの、悟さん…?」
どうした?という表情で悟は不思議そうにしながらシャツを脱いでいる。
まるで戸惑う優香がおかしいかのように。
「悟さんが先に入るなら、私は待ってますのでゆっくりされてくださいね。」
そう言って出ようとすると、悟が優香を引き止める。
「何言ってるんだ。一緒に入るから連れてきたんだろ。」
「………!」
——い、一緒に入る………!?
そんなのハードル高過ぎます……
既に悟は上半身裸でスラックスのベルトも緩められており、目のやり場に困るどころか、悟の色気にあてられて優香の意識は遠のきそうになっていた。
「…ほら、早く。夫婦になるなら当たり前のことだから、恥ずかしがる必要なんてない。」
優しく諭すように声をかけられると、抵抗している優香が駄々を捏ねているようで従った方が良いかのような気がしてくる。
だが、こんなに明るい場所で悟の目の前に裸を晒すなどとてもじゃないが優香のキャパシティは明らかに超えている。
恥ずかしさにふるふると震えていると、悟が頭を撫でてきた。
「…俺と一緒に入るのは嫌か?」
嫌とかそういう次元の話ではない。
「ち、違います!」
悟と一緒が嫌だと思われるのは、嫌だったため、反射的に答えてしまう。
優香の答えに気を良くした悟は優香のブラウスに手をかけた。