政略結婚 ~全ては彼の策略~
この思いを止められなかった
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悟は目覚めると自分の胸に顔を埋め安心しきったように優香が眠っていたため、思わず身悶えしてしまっていた。
——可愛い。可愛すぎる。
どうしてこんなにも可愛いんだ。
どうしても自分の欲を抑えきれず、優香を部屋へ半強制的に連れてきてしまったが、これも婚約者の権利を振りかざした一方的な想いだと言う事は分かっている。
それでも一緒にいたかった。
年甲斐もなく浮かれている自覚もある。
いきなり11歳も年上の男と恋人になり結婚しなければならない状況に彼女はどう思っているのだろうか。
悟が何をしても明らかに戸惑い真っ赤になっている優香に悟の加虐心がそそられるだけだったが、流石に最後まで手を出すのは気が引けた。
先週も本当は彼女の部屋に上がるつもりはなかったが、2回も誘われて断れる程の忍耐はなかった。
そのままついつい手を出してしまいどうにか最後までは我慢したが、中途半端に知ってしまった彼女の体をもっと知りたい欲求に駆られる。
しかし、いくらお互いの事を数年前から知っていたとはいえまだ恋人関係になってからは1週間しか経っていない。
悟は計画通りであるが優香は違う。
まずは優香が自分を受け入れてくれるようになってからとは頭では分かっている。
だが、どうしても自分のものにしたくて堪らないのだ。
本当は、ようやく手に入れた優香を早く自分のものにしてしまいたい。
優香の体の奥深くまで自分自信を突き入れて、その綺麗な姿を穢したい。
だが、悟は別の愉しみも知ってしまっていた。
優香に触れる度、あまりにも幸せそうに悟を見つめるのだ。
その表情をもっと見たい。
彼女の体をもっと俺に染めたい。
俺と同じくらい、彼女にも俺を求めて欲しい。
そして、彼女の"初めて"の経験を何の苦痛も感じないこの世で最も幸せな経験に出来れば……
悟は眠る優香をそっと抱き寄せ額に優しくキスをした。