あの時流した涙



そんな事があった。

でも、煜は覚えてないだろう。



この髪留めも。

「覚えてんだ。」



え?

「奈悉」





奈悉って言ってくれた。


頬に、なぜか冷たい水が流れた。




「え?!ごめん。泣かしちゃって」


泣くよ.....................だって覚えててくれたんだから。




「うん.......」


この涙は嬉しい、嘘のない涙。


「お前!!!!!!!!奈悉さんに触るな」


あぁ、忘れてた。



「お前は何故天宮楓を選んだんだ!」


それ、私も聞きたい。


「それは友達に書かれたから」



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