あの時流した涙
*分からない
「んーーーーー!!!!!!!!」
一人屋上で、大きな伸びをする。
まさか煜にあんな事言われるなんて.....................。
「思いもしなかったなぁ!」
ただ悲しくて叫んだ。
失恋して新しい恋をしようと思ったら、立ち直り早いのに。
煜だけは、なぜか立ち直れない。
これも璃子がいないから。
「璃子のせいだよ.......。璃子が風邪ひくから....。寂しいじゃん」
「寂しいのか?」
ドアから聞き覚えのある声。
「龍!」
勢いよく龍の元に走る。
「風邪、大丈夫だった?」
「うん」
他愛のない会話。
こんな会話でも、心配してた。
「ごめんな。心配かけて」
眉まで下げて、私の髪の毛をくしゃっとする。
こんな事、煜はしてくれなかった。