恋の授業




堂々巡りをくり返すわたしに、先生が・・・。




「だから、開けてはいけないと言ったでしょう。」



「すみません。」



「今ので、38回目ですよ。
 ・・・まぁ、きちんと説明しなかったわたしも悪いですから。
 おあいこということにしましょう。」



「・・・すみません。」



「次“すみません”って言ったら放り出しますよ。」



「すみま・・・、ごめんなさい」



「ク・・・ハハハハハ。」




先生が突然笑い出した。

あ、笑うと可愛い。と、そんなのんきなことを思っていると。




「それじゃあ、変わらないでしょう。
 ・・・もう、寝ましょうか。」



「・・・はい。」



「おやすみなさい。」



「おやすみなさい。」




先生のそばで、ゴールデンリトリーバーが大きなあくびをした。





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