思いは届く
その日から、私は佑介君を避けるようになった。

もうこれ以上好きにならないように・・・。

私のこの気持ちがみんなにばれないように・・・。



そして、しばらく経ったある日。

『真莉亜ちゃんが西条君のことが好き』っていうことがクラスに広まった。

それから、真莉亜ちゃんは気まずいのか、佑介君とはめったに話さなくなってしまった。

だが、ある日。

真莉亜ちゃんが友達と話しているのが聞こえてきた。

『もう好きじゃない』

確かに、真莉亜ちゃんはそう言っていた。

もう、私は苦しまなくていいんだ。

そう思った。



それから、文化祭や音楽会が過ぎていった。

特に、楽しかった思い出なんていうものはなかった。

でも、幸せだった。

委員会や仕事分担が同じだったから、ただただ一緒に笑っていられた。

近くで、彼の笑顔を見ていられた。




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