可愛いなんて大嫌い
(あんな気持ち悪い奴見たことないぞ!! いくら兄ちゃんの頼みでも葵は知らんっ!)

 帰ろうとする葵の手首を掴み、

「待ってくれ! 俺が変なことしたなら謝る。だから今日は一緒に秋葉原へ行こう!」

 訳のわからないことを言い出した。

「はぁっ!? なんだそれ!」

「さあ行こう!」

 葵はよくわからないまま引きずられて行った。

 それを見ていたみーちゃん達は

「秋葉原ってなんだ? あのイケメンはオタクなのか?」

「行ってみよう」

 面白がって追跡する気満々なようだ。

 見失った時のために、葵には盗聴機を付け、もしものことがあったら叫べと言っている。

「高橋さん……? 何してるの?」

 生徒が必ず通る校門前の辺に隠れていたものだから、案の定、みーちゃん達は変な目で見られた。

「なんだ矢神か。お前いい所に来たな。面白いもん見せてやるから、今からあたし達に付いて来い」

「俺達今から部活ですー。行くぞ光」

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