可愛いなんて大嫌い
 そう言って矢神の手を引く変態藤本。

「お前ら男同士でイチャイチャしてて悲しくねえのかよ。暑苦しいな」

「いやぁ、俺はイチャイチャしたいんだけどな、光がまだ心の準備が出来てなっ……!!」

「誤解されるような事言うなっ! もうどっか行け。俺に付きまとうな」

 矢神の拳が藤本の左頬に直撃する。

 皆が通る校門の前に、藤本は豪快に倒れた。

「お前いつもこの変態相手にしてんのか? ……大変だな」

 アホくさっ、といった眼差しでみーちゃんは倒れている藤本に視線を向ける。

「こんな奴ほっとけばいいよ。それより面白いことって何ー? 俺も見たい」

「じゃああたし達に付いて来な。これ着けろよ」

「何これ?」

 何故か黒いサングラスを渡される。

 3人はサングラスを装着し、葵の後を追いかけた。

 目立たないようにと思って装着したサングラスだが、バリバリ目立っている。

 たくさんの通行人が振り返ってこっちを見て来た。

< 102 / 131 >

この作品をシェア

pagetop