可愛いなんて大嫌い
「さささ、最高傑作だ! 究極の萌えだ! やっぱり付き合ってくれ!」

「お、お前大概にしろよっ! 葵は男が大っ嫌いだ!! 誰が好き好んでお前みたいな奴と付き合うか」

 葵が文句を言っている中、こちらの3人は

「やべぇ、葵の奴可愛いじゃねえか。写メ撮ろ写メ!」

「ほんとだー。似合ってるね」

「うん」

 各々、感想を述べ、みーちゃんに至っては携帯電話で写真を撮りだした。

 そんな3人に目をやった葵は、必死に助けを求めるが、誰も葵のピンチに気付かない。

(いっ、嫌だっ! こんな変態とファーストキスなんか死んでも嫌だっ!!)

 事態は更に悪化していて、葵は雨宮太郎に口付けを迫られていた。

 それにいち早く気付いたゴリラがみーちゃんの肩を叩く。

「みーちゃんアレ」

「なんだよ? うわっ! こんな公衆の前でチューかよ。 ……ってチュー!? さすがにヤバイ、助けねえと」

 みーちゃんはキョロキョロと周りを見渡した。

「おい矢神。お前助けに行ってやれ」

「ええっ!! 俺っ!?」

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