可愛いなんて大嫌い
「お前ケンカ売ってんのか!?」

「ほんとに思ったから言ったんだけど」

「うるさい黙れっ! お前の言葉なんか聞きたくない!!」

 葵は耳を塞いで首を横に振り、全否定する。

「いいよ。また言うから」

 駄々をこねる葵を余裕の笑顔でかわす矢神。

 その笑顔を見たら負けた気がして悔しくなってきた。

(くそっ!! こいつ、いつもいつも余裕ぶっこきおって!)

「これで勝ったと思うなよ! 大嫌いだバカ───ッ!!」

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