可愛いなんて大嫌い
第5章 運の悪さは神クラス!
 高校に入学してかれこれ1ヶ月。ゴールデンウィークが終わり、5月も折り返しにさしかかっていた。

 そんなある日のホームルーム中、

「じゃあ明後日の夜11時に学校集合です。みんな遅刻しないようにね」

 美人学級委員こと九条悠里は連絡事項を言っていた。

 美人でしっかりしていて、優等生の悠里はクラス中から絶対的な信頼を寄せられている。

 そんな悠里からの連絡なので、みんなは耳をかたむけていた。

 放課後、

「明後日の肝だめし誰とペアかしらー?」

 部活で作ったパウンドケーキを食べながら、梨加は目を輝かせている。

「クラスの親睦って言っても、もうみんな仲良しだよね」

 こんなことを言いながらも、面白いことが大好きな茉子は凄く楽しそうだ。

「肝だめしなんか子供だましな遊びではないか。そんなものの何が楽しいのだ?」

 2人の会話を聞きながら皿洗いをしていた葵が口を挟む。

「そんな事言ってる人に限って怖がりなのよねぇ」

< 111 / 131 >

この作品をシェア

pagetop