可愛いなんて大嫌い
「それで!? 返事はなんて?」

「断ってたよ」

「なんですって!? やっぱりあの女やるわね。サッカー部なんてイケメンの集まりじゃない。断るなんてもったいないわ」

 人の告白現場を見ただの見てないだの、正直葵にはどうでもよかった。

 そんな話題で、どうしてこんなに盛り上がれるのかすらわからない。

「胸がでかいからじゃないのか?」

 洗い物を終えた葵はエプロンで手を拭きながら、梨加の隣に座った。

「あっ、絶対それもあるわねぇ。まぁ、あの女は美人だし、それに巨乳ときたらモテるでしょうねぇ。葵の胸のサイズはどれくらいかしら?」

 梨加は葵の後ろに回り、胸を触ってみる。

「ひゃあっ、何するのだ変態っ!! 触るなバカ!!」

「……想像以上に残念な結果ね。これならわたしの方が大きいわ」

「むっ、胸なんかなくても生きていけるんだからな! ひゃっ!! 触るなって言ってるではないか!」

「ほんとだー。わたしも葵ちゃんに勝っちゃった」

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