可愛いなんて大嫌い
 梨加に続いて茉子までが葵の胸を触った。

 2人の言う通り、葵のそこは残念なことに、ほぼ平らなのだ。

 かすかに膨らみはあるが、触ってみないとわからない。

「お前ら言いたい放題言いおって!! 巨乳の何が偉いのだ!?」

「ないよりあった方がいいわよねぇ?」

「うん」

 何も言い返せない。2人より大きければ立場は上だが、小さいので反論も出来やしない。

「はぁー。わたしも告白されたいわ」

「大丈夫だよ梨加ちゃん! 願ってればチャンスは来るはずだから!」

「そうかしら? ……そうよね、きっとそうだわ!」

「人生そんなにうまくいくはずないだろ」

 葵はちょっとバカにしたように笑った。

「なんですってー!! デートもまともにしたことない葵に言われたくないわ!」

「デートならこの前やったぞ」

 その場の空気が凍りついた。

 男嫌いな葵がどうしてわたしよりも先にデートしてるの、てゆーか相手誰よ、と言った具合に、梨加は頭を悩ませた。

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