可愛いなんて大嫌い
「葵ちゃん、梨加ちゃんに勝ちたいからって嘘はダメだよ」

「そ、そうよ! 嘘ついてまで勝ちたいの!?」

 梨加はともかく、茉子に至っては葵の言っていることを全く信じていない。

「思い出したくないが嘘ではないぞ! ちゃんと証人もいるんだからな」

「どうしてデートに証人がいるのよ! 意味わからないわ」

「そっ、それは……いろいろ事情があったのだ」

「怪しいわ。物凄く怪しいわね。今からその証人に会わせなさいよ」

「いいだろう」

 部活を終えた3人は家庭科を出て行った。

(……まてよ。今日柔道部はランニングで外まで行ってるから、学校にはいないんじゃないのか!?)

 みーちゃんもしくはゴリラに会わせれば、2人も納得してくれると思ったが、肝心な証人が今どちらも学校にいない。

(……非常にまずいぞ!)

「葵、その証人はどこにいるのよ」

「やっ、やっぱり今日はやめないか? そうだ明日にしよう!」

「そんな事言って明日も逃げる気じゃないでしょうね」

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