可愛いなんて大嫌い
「じゃあ男女に分かれて適当にくじを引いていってください。今日は男子が2人欠席だから、ちょうどぴったりペアが出来るはずよ」

 悠里が用意したくじの箱をみんなが一斉にあさり始める。

「これは必ず男女ペアなのか!?」

「みたいだな。ダーリン以外はごめんだが、当たる確率の方が低いし、しゃーないか」

「葵はみーちゃんとじゃないと参加しないぞ!」

「アホか、無理に決まってんだろ。あたし15番だ。葵は?」

 葵が引いたくじを見てみると、そこには“5”と書いてあった。

「葵は5番らしい」

 みんなが確認出来たところで、一旦集合させる。

「はい、じゃあ1番のペアから行って来てね。驚かせる人がいると、誰かいるってわかってるから怖くないでしょう? それじゃつまらないから、仕掛けは何もないわ。3階の音楽室に行って、そこにある紙に名前を書いてくること」

 ということは、校舎の中には今誰もいないはずだ。

 人影などが見えた場合、それはもしかして幽霊の可能性もないわけではない。

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