可愛いなんて大嫌い
「えっ!? ちょっと高橋さん! そんなことしていいの!?」

「あたしがいいって言ったらいいんだよ! つーことで、葵をよろしくー」

 強引なみーちゃんは、ゴリラと2人先に進んで行った。

(高橋さんのラブラブ時間に俺まで巻き添え……。しかも葵ちゃんを残して行っちゃったし……)

「みーちゃんの相手はお前だったのか……!! 何故葵がお前と行かなきゃいけないのだ!?」

 当然葵はキレる。そんな葵にも慣れてしまったのか、矢神は耳に指を入れて栓をした。

「……俺のせいじゃないもん。てゆーか葵ちゃん、まだこんなところにいたんだ」

「うっ、うるさい!! ……ひぃっ!!」

 ガチャッという物音にびっくりした葵は矢神の後ろに隠れた。

「何かいる絶対いるっ!!」

「何もいないよー。怖がりなの?」

「だって音がした! ひゃあっ!!」

 今度は風の音にびっくりする葵。今にも泣き出しそうだ。

「大丈夫だから早く行こうよ」

 葵は首を左右に振りまくる。

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