可愛いなんて大嫌い
自分が鍵を忘れて家を出たあと、父親も出張のため鍵をかけて出て行った。
つまり父親が帰って来ない限り、葵は家に入れないのだ。
「……どうしよう。みーちゃんは今日ゴリラんちだし、梨加達の家は知らないし、兄ちゃんちまでは遠いし。野宿か……?」
年頃の女の子が野宿など、今の時代ありえない。
先が見えなくて泣きそうになる。ある意味お化けより恐ろしい。
「うち来る?」
「……ふぇ?」
見かねた矢神が声をかけた。
「行くとこないんだったらうちおいでよ」
回らない頭を回転させて考える。
(こいつの家……? ってことは)
「おっ、男の家にお泊まりなんて危険すぎて出来るかっ!! しかもよりによってお前の家とは」
「でも行くとこないんでしょ?」
「それはそうだがっ……」
「大丈夫だよ。何もしないから。多分」
「多分ってなんだ!! 信用出来ん!」
「じゃあ俺帰るよ」
今度こそ本当に1人になってしまう。
そんなのチキンな葵には耐えられなかった。
「まっ、待て! わかった行く……行くからっ」
つまり父親が帰って来ない限り、葵は家に入れないのだ。
「……どうしよう。みーちゃんは今日ゴリラんちだし、梨加達の家は知らないし、兄ちゃんちまでは遠いし。野宿か……?」
年頃の女の子が野宿など、今の時代ありえない。
先が見えなくて泣きそうになる。ある意味お化けより恐ろしい。
「うち来る?」
「……ふぇ?」
見かねた矢神が声をかけた。
「行くとこないんだったらうちおいでよ」
回らない頭を回転させて考える。
(こいつの家……? ってことは)
「おっ、男の家にお泊まりなんて危険すぎて出来るかっ!! しかもよりによってお前の家とは」
「でも行くとこないんでしょ?」
「それはそうだがっ……」
「大丈夫だよ。何もしないから。多分」
「多分ってなんだ!! 信用出来ん!」
「じゃあ俺帰るよ」
今度こそ本当に1人になってしまう。
そんなのチキンな葵には耐えられなかった。
「まっ、待て! わかった行く……行くからっ」