可愛いなんて大嫌い
「さっさと帰るぞ」

 みーちゃんは葵を残し、先に歩いて一人で帰りだす。

「みーちゃん、待つのだ―――っ!!」

 葵もその後を追いかける。

 校門へと続く道を追いかけていたが、前を歩いていたみーちゃんが急に止まったので葵もつられて立ち止まってしまう。

「どうかしたのか?」

 何かあったのかと首をかしげた。

「……アイツの事か」

 みーちゃんは葵の問いかけを無視して、ブツブツと独り言を漏らしている。

(一体なんなのだ?)

 ピクリとも動かないみーちゃんを目の前に、葵は何が起こったのか興味津々になった。

 みーちゃんの視線は学校の庭から見えるグランドに向いているようで、葵もその先に視線を移動してみる。

「野球部と陸上部がどうかしたのか?それともサッカー部か?」

 視線の先にあるのはグランドで部活中の運動部であった。

 春にもかかわらず、運動部員達は汗をかきながら一生懸命部活をしている。

 運動音痴で運動嫌いの葵には縁のない話だろう。

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