可愛いなんて大嫌い
「確かに女みたいだな。てゆーか二次元から出てきたみたいな?」

「だから何がだよ!」

「葵、うるさいからちょっと黙ってろ。あたしは今観察してんの!」

 葵はみーちゃんの腕を引っ張っていたが、キリッと睨まれて怯んでしまった。

 何も教えてもらえないので頬をプーッと膨らまし、しょんぼりする。

(何故みーちゃんは葵に何も教えてくれんのだ!!)

 それから五分くらい、みーちゃんは葵をほったらかしにして、観察とやらをしていた。

 なんだかもう切なすぎて、葵の周りだけ冷たい風がヒューッと吹いている感じだ。

 相手にしてもらえないので小さな子供みたいに拗ねている。

「……なあ、みーちゃん。何なのか葵にも教えてくれ!」

 こんな自分の状況に耐えきれなくなった葵は、みーちゃんの腕に抱きついた。

 みーちゃんは『はあー』とため息をつき、

「お前クラスの噂聞いてないのかよ」

 と言って葵を腕から離した。

「噂? なんだ!? なんの噂だ!?」

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