可愛いなんて大嫌い

　次の日。入学３日目で天気は晴天。空には雲一つない青色が広がっている。

　気温もほどほどで、こんな日は朝から睡魔が襲ってきそうだ。

　このような快適な日にもかかわらず、変人ぶった行動をしている人間が約一名。

　葵である。というか葵しかいない。

　葵は一応学校には来ているが、教室に入ってない。

　どこにいるかというと、教室の入り口のドアにへばりついていた。

　顔はこの世のものとは思えない酷いものになっている。

　葵は教室の外から中の様子を伺っているようだ。完全に不審者である。

　この学校は一応進学校で、本来頭のいい生徒しかいないはずなのだが、変な奴が一匹紛れ込んでいた。

「うーん……見えない!!　全然見えんっ!!　どれなんだ!?」

　時折ジャンプをしたり変な動きをしているが、周りから見たら何がしたいのかまったくわからない。

　ぞくぞくと登校して来るクラスメイト達には白い目で見られている。