可愛いなんて大嫌い
 昼休みになると教室では、机をくっつけたりして皆お昼ご飯を食べたり、ペチャクチャ喋っている。

 中には食堂でお昼をとっているリッチな生徒もいる。

 食堂では食券を買って料理を頼まなければいけないので、ちょっと面倒くさい。

 授業中は静かだが、昼休みにもなると、教室から廊下まで生徒達の話し声が筒抜けて響く。

「うわっ、お前は昼飯によくそんなもん食えるな!」

 俺には絶対無理! と青い顔でドン引きしているのは藤本翔。

 教室で昼休みを過ごしている藤本は、矢神の机の上にあるお昼ご飯を見て気持ち悪くなった。

「悪い!? これは全部俺のだから翔にはあげないからね!!」

 その机の上には苺オ・レ、チョコチップメロンパン、プリン、と甘いものづくし。

 男が食べるご飯とは思えないくらい、可愛らしさが滲み出ている。

 矢神はチョコチップメロンパンをもぐもぐと頬張る。

「お前、甘いものが好きなのか?」

「うん、大好き」

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