可愛いなんて大嫌い
第2章 勝負は勝たなきゃ意味がない!
 入学して一週間も過ぎると、次第に高校生活にも慣れていき、遅刻をする生徒が増えてくる。

 遅刻なんてとんでもない! という顔をした真面目な生徒も中にはいるのです。

 神田葵。いつも何かに怒っていて、生意気そうな眉毛がつり上がっている。

 そんな表情とは対照的に、髪型は可愛らしく金髪ツインテール。

 ほどいたら腰まであるだろうと思える長い髪――。

「葵っ!!」

 その長くて綺麗な髪を、親友みーちゃんは獲物を捕らえるようにギュッと引っ張った。

「うががっ!! 痛い! 痛いぞみーちゃん」

 葵は変な悲鳴を上げて立ち止まる。

 今は朝の登校ラッシュで、学校付近には生徒の姿がたくさん見られる。

「てゆーか何故みーちゃんが今頃登校しているのだ!? 柔道部のマネージャーになったんだろ? 柔道部は毎日朝練があるんだぞー」

 そう、翠翔学園高校の柔道部は毎日朝七時から部活が始まる。

 そのため、マネージャーになったみーちゃんも朝早く学校に行く必要があるのだ。

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