可愛いなんて大嫌い
 葵は実力テストは全校生徒がするものだと思っていたみたいで、テスト三日前の今日は部活はなく、早く帰れると思っていたのだ。

「そうなのか。入部した以上サボるワケにはいかないよな。では行くぞ!」

 単純おバカとはこの事である。

 二人は茉子も連れて、料理部の活動場所である家庭科室へと向かった。

 家庭科室などまだ授業で使った事がないので、三人はとにかく迷った。

 それでなくても大きな校内。自分の教室に行くだけでも苦労しているのに、三人は無事家庭科室に辿り着けるのだろうか。

 一階にあるという事はわかっている。どの辺りにあるかが問題なのだ。

 三人は玄関へやって来た。有難い事に玄関の掲示板には、新入生用の校内地図が貼ってある。

 この地図で確認しても尚、探検し続けるおバカトリオであった。

 なんとか家庭科室に着くと、そこでは先輩達がせっせとクッキーを焼くための準備をしていた。

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