可愛いなんて大嫌い
 机に着いて足をブラブラさせながら、担任の話を右耳から左耳へと聞き流す。

 頭の中はこれから入る部活の事でいっぱいだ。

 単純な葵は楽しい事を考えるだけで、自然と頬が緩んでしまう。

 そして学校中に響き渡るチャイムと同時に、待ちに待った放課後がやって来た。

「入部届を出しに行くぞ!」

 葵は勢い良く席を立つと、廊下側の席にダルそうに座っているみーちゃんの所まで移動した。

 教室はそれなりに広いが、クラスメイトもまた多いため、窓側の席の葵は廊下側に移動するのに一苦労。

「みーちゃん! 葵と一緒に料理部に入るのだ!」

「い・や・だ。あたしは柔道部のマネージャーになってダーリンに尽くすんだよ!」

 一人で入るのはなんともしっくりこないので、みーちゃんを料理部に誘ってみた。

 しかし案の定、迷惑そうに一発で断られる。

「ダダダ、ダーリンだとっ!? 葵よりあの毛むくじゃらゴリラを取る気なのかっ!?」

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