可愛いなんて大嫌い
 葵は勝ち誇ったかのような、余裕しゃくしゃくな態度で、隣の席の矢神に勝利宣言をした。

「テスト出来たの?」

「当たり前だ! 葵を誰だと思っている!!」

「うーん……、葵ちゃん?」

 次の瞬間、葵の脳にぴっきーんと亀裂が入った。

「お前葵をナメるのも大概にしろよっ!! バ―――カッ!!」

 今はこんなとっても偉そうな事を言っているが、葵は二日後悪夢を見る事になる。

 夢ならまだマシだ。とっとと覚めて欲しい。



「……どどどど、どういう事だこれはっ!!」

 テストから二日後、いつも通り学校に行くと、玄関の掲示板にテストの結果が貼り出されてあった。

「どうもこうも結果だろ?」

 事情を知っているみーちゃんだが、しらっと一言で終わらせる。

 みーちゃんにとって葵達の勝負など、噂話を耳にするより、どうでもいい事なのだ。

「だって葵のテストは完璧だったんだぞ! 一体どこが間違っていたというのだ!?」

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