可愛いなんて大嫌い
第3章 それでも葵は負けてない!
 次の日、運良く今日は部活があるらしいと、梨加が朝一で教えてくれた。

 梨加の話によると、本日はマドレーヌを作る予定との事。

(あいつは甘いものが嫌いって言ってたから、砂糖をいーっぱい入れてやろう!)

 葵は未だ騙されている事に気付いてなかった。

 気付いた時の反応が恐ろしいが、また楽しみなのも事実である。



「葵テストで負けたんだろ? 何すんの?」

 只今、四時間目。生物の授業中。

 にもかかわらず、この女王様ことみーちゃんは、実験が面倒くさいからと、後ろの席で葵に喋りかけていた。

 真面目な葵を道連れにしているのだ。

「よくぞ聞いてくれた親友よ。まあ、認めたくはないが、葵は負けたさ。しかーしっ!! ここで引き下がってはダメだ! 本日、新しい作戦を決行する」

「くだらねえー……。でも一応聞いてやるよ」

「失礼だぞ! 葵は本気なんだ!!」

 どうやら葵は、作戦が成功すると本気で思っているらしい。

< 66 / 131 >

この作品をシェア

pagetop