可愛いなんて大嫌い
 もうこの二人をどうにかしてくれ……。自分主義にもほどがある。

 都合のいい事しか考えられない自己中人間だ。

「よしっ、じゃああたしも協力してやるよ! 何でも言え!」

「おお、みーちゃん……!! やっぱり持つべきものは親友だな!」

 二人は手を取り合って友情を確認した。

「……おい、そこの二人。もう授業終わったからこの教室閉めるぞ」

 なんと葵達がくだらない友情ごっこをしている間に、四時間目の授業は終わっていた。

 二人はあまりにも真剣だったため、チャイムの音にも気付かなかった。

 葵とみーちゃん、この二人は正真正銘のアホっこコンビである。

「葵っ!! 食堂行くぞ」

 授業を真面目に受けていないのにお腹が減った二人は、急いで食堂へ向かった。

 食堂では葵が一人で作戦の素晴らしさを語っていた。

 対してみーちゃんはダーリンことゴリラのノロケ話を、葵の耳にたこが出来るくらい聞かせてやる。

 そのたびに葵は耳を塞いでいた。

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