可愛いなんて大嫌い
(俺の友達ってなんで変態しかいないんだろう)
友達の必要性を疑いたくなってくる。
矢神は教室に帰るため、一年から三年までの教室がある学習棟の三階廊下を歩いていた。
体育館は学習棟の隣に建っていて、移動するのに五分以上かかってしまう。
そろそろ昼休みも終わりが近づいてくるが、気絶していたあの二人は、未だ戻って来る気配がない。
冬じゃないし、体育館の中なんだし、あのままでも死にはしないだろう、とまったく安否の心配をしない矢神であった。
教室に向かって長い長い廊下を歩いていると、
「あ、矢神君。ちょっとここの問題教えてくれない?」
美人学級委員の九条悠里が、テストの解答用紙を片手に、正面からこちらにに向かって駆け寄ってきた。
痛みのない綺麗な黒髪をなびかせている。
梨加曰く、美人で性格の良い彼女は、女の敵だそうだ。
「九条さん。いいよー、どこ?」
「ここなんだけど――」
学年首位の矢神は親切に教えてあげる。
友達の必要性を疑いたくなってくる。
矢神は教室に帰るため、一年から三年までの教室がある学習棟の三階廊下を歩いていた。
体育館は学習棟の隣に建っていて、移動するのに五分以上かかってしまう。
そろそろ昼休みも終わりが近づいてくるが、気絶していたあの二人は、未だ戻って来る気配がない。
冬じゃないし、体育館の中なんだし、あのままでも死にはしないだろう、とまったく安否の心配をしない矢神であった。
教室に向かって長い長い廊下を歩いていると、
「あ、矢神君。ちょっとここの問題教えてくれない?」
美人学級委員の九条悠里が、テストの解答用紙を片手に、正面からこちらにに向かって駆け寄ってきた。
痛みのない綺麗な黒髪をなびかせている。
梨加曰く、美人で性格の良い彼女は、女の敵だそうだ。
「九条さん。いいよー、どこ?」
「ここなんだけど――」
学年首位の矢神は親切に教えてあげる。