可愛いなんて大嫌い
 翌日の放課後、葵は一人で本屋へ行こうと、授業が終わってすぐ玄関に向かった。

 理由はデートとは何かを調べるため。

 具体的に世間の人達は何をやっているのか気になる。

 下駄箱でローファーに履き替えていると、

「げぇっ、ツインテール娘! こんな所でお前に出くわすなんてついてねぇ」

 そこには葵を敗北に追い込んだ宿敵、矢神とその友人藤本の姿があった。

「なんだとっ!? ……いや、今日はお前等の相手をしている暇はないのだ」

「用事があるの?」

(そう言えばこいつ等も一応男だし、彼女の一人や二人いてもおかしくないよな。ということはデートとやらを経験済みではないのか?)

 高校生ともなればほとんどの人が、恋愛経験をつんでいるはず。

 この二人とて例外ではない。

「お前等、今彼女はいるか?」

「はぁ? わかった、ツインテール娘俺のこと狙ってんだろ? 残念ながら俺はお前なんかノーサンキューだ」

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