可愛いなんて大嫌い
「そんなもんいるか―――っ!! 汚らわしい! 男なんか大っ嫌いだ! この世からいなくなってしまえばいいのだ―――っ!!」

 ゴリラに対するみーちゃんの愛を聞いた葵は、なんだかいたたまれない気持ちになってその場を去った。

(こうなったら一人でも料理部に入ってやる!)

 葵は自分の席に戻って、このどうしようもなく腹立つ気持ちを忘れるためにも、部活に力を注ごうと思い、気合いを入れて入部届を書いた。

 気合いを入れたのが仇となって、名前の欄は殴り書き状態である。

「ねえ、あなたも料理部に入るの?」

 凄い顔で入部届とにらめっこしていると、後ろから誰かにポンポンと肩を叩かれた。

 葵は後ろに振り向き、

「おう。葵は一人でも料理部に入ってやるぞ!」

 誰もそんな事は聞いていないのに、余計な事まで答えてしまう。

 ゴーイングマイウェイとは葵のためにあるような言葉だ。

 しかし一つ問題があった。

(こいつ等……誰だっけ!?)

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