可愛いなんて大嫌い
 初めて知った自分のこと。自分では普通だと思っていたことが、全然普通じゃなかった。

 俗に言う変人というやつだ。

「……では葵はこれからどうすればいいのだ?」

 生気の抜けたような顔をして、みーちゃんに尋ねる。

「そのままでいいじゃねえか」

「い、嫌だっ!! だってこのままではいつまでたっても矢神にバカにされるではないか!」

「てゆーか、それバカにされてるワケじゃねえだろ?」

「いいや、してる。あいつは葵のことバカだと思ってるに違いないぞ」

 はぁ、とため息をついたみーちゃんは

「お前が鈍すぎるのは知ってたけど、ここまでくると何言っても無駄みたいだな」

 飲みほしたコーラを補充すべく、ドリンクバーへ向かう。

(鈍い鈍いって言われてきたけど、どこがどう鈍いのか葵は全くわからんぞ)

 みーちゃんがジュースを注ぎに行っている間、テーブルには葵とゴリラの2人きり。

「……みーちゃんはあんな風に言ってるけど、それは神田のいい所を言ってるんだと思う」

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