最後の恋…。〜愛するあなたへ〜



父親はあまり顔をみせることはなくなったけど、悲しそうな悲しそうな顔をしていた。

あれが私がみた父親の最後の顔。

いまにも浮かんでくる、刻み込まれた深い顔。


あれから父親は私をさけてる。きっとみたくないんだろうと思った。



“天国でも幸せに過ごせるんだから”と自分に言い聞かせて、母親を心配させないように笑顔でいた。



喧嘩が強いのは生まれながらで病気になる前は空手をならっていた。空手は黒帯だった。


病気じゃなかったらいまもできてたのに…。

と時々思うときがある。だけどグッと我慢する。



はやく元気になれたらまたはじめられるかもしれない…。
きっといつかまたできる。


と思いながら治療に専念した。でも…病気は悪くなる一方だった。



< 22 / 80 >

この作品をシェア

pagetop