最後の恋…。〜愛するあなたへ〜
「…なんか…麻璃華らしくないね…?どうしたのよ…?」
「うーん。……ちょっと思ったんだ」
みんなに教えるのは簡単だけど、やっぱり人の悲しい顔は見たくない。
見るとしたら、お母さんだけでいい。
もう悲しませたくない。
「変なのー」
「ふふ。…ごめんね、変で」
「別にー。ただ…私も思った」
「僕もですよ。麻璃華さん」
「え?」
「幸せだなぁって思ったの!」
陽菜たちも同じ、幸せを感じてくれた。
それだけなのに…胸の奥が温かかった。
「みんな同じだったんだね」
…―ねぇ、この世に神様がいるのならば、最後にみんなに出会わせてくれてありがとう。
嬉しくて楽しくて怒られて…。
こんな短い間にあんなにあったなんて信じられないくらい楽しかった。
いっぱい笑えたよ。
ねぇ、あとどれくらい生きられる?
せめてもう少しだけ時間をください…―。