最後の恋…。〜愛するあなたへ〜
「…ねぇ、お父さんお母さん…最後のワガママ聞いてくれる…?」
私の"最後"って言ってしまったので、お母さんは泣いてしまった。
「…なんだ?」
お父さんは涙声だった。
「…あのね…―」
お母さんは私の言葉に最後まで反対した。
もし私が諦めれば命がもう少し長くなるから…。
でも、お父さんは…"いいじゃないか。俺は麻璃華の最後は麻璃華のやらせたいことをやらせればいいと思う"
と言って賛成してくれた。
私のワガママは…―花火大会に行きたい
だった。
そして季節は巡り花火大会の日
お母さんに着付けしてもらっている今。
「…お母さん、今までありがとう。お母さんのお陰で楽しかったよ!」
「…麻璃華っ!!ずっと麻璃華大好きだからね!生きて…お願い…」
「…うん。生きて帰ってくるね。でも好きな人の前で亡くなるのも悪くないかな?」